喰快にはおすすめのお席があります。
お店にいらしたことのあるお客様ならご存知のカウンター席です。喰快のカウンターは長く、横に16名様のお客様に並んで座っていただくことができます。カウンターの中には職人さんが3名ほどいて、勢いよくお料理を仕上げています。活気があって、みんな真剣で…もの凄いエネルギーを感じます!
そんな雰囲気を楽しむなら、カウンター中央辺りにお座り頂いて、職人さんを見ながら、また、入り口にかかった風になびく暖簾を見ながら、日本酒を呑むのがオススメです。
そして、特におすすめなのが、オーナーがいつも立っている刺し場(お刺身を引く場所)の前。
先日、刺し場の隣でランチの準備をしていたら、鱧(はも)が登場しました。朝、いつもお世話になっている魚勝さんから届いた、生け簀に入っている、まだ生きている鱧です。目がくりっとして、かわいい顔をしているんだなぁと見ていたら、水から揚げられ、ピチピチと元気よく水しぶきが飛んできました。
オーナーが長い包丁を取り出します。
思わず、もう少し待ってください…と、私が命乞いをしそうになります。笑ぐっと言葉を飲み込みました。オーナーは容赦せず、手際良くさばいていきます。
血抜きをして、頭を落とします。鱧はますますピチピチと動きます。頭を落とされても、口も胴体も動いていて、まだ生きています。すごい生命力です。
そして…あぁ、命をいただく、とはこういうことなんだなぁ、と思いました。
隣で、ありがとうと手を合わせたくなります。
そして、腹を開き、腹わたを取り出します。包丁さばきがとても鮮やかです。
取り出した腹わた…とても綺麗です。更に流水しながら、血管をきれいに取り除いていきます。
鱧笛(浮き袋)と白子と肝に分けられました。
白子はふわふわとしていて、茹でてポン酢!それか、焼いて塩!で食べたら絶対おいしい!!という感じです。笑鱧笛はつるんとした長細いパールのよう。美しいです。そして、骨に沿って綺麗に身を開いていきます。
開かれた鱧の身は、白くうっすら透き通っています。
そして、リズミカルに包丁を動かして、切り身にしていきます。
皮一枚残して、花びらのような鱧の切り身が出来上がりました!
思わず、すごく綺麗ですね。と言うと、すんごい顔して見てたね。と言われました。笑
私:簡単そうにさばいているように見えますけど、とても難しいんでしょうね。
オーナー:そうだね。鱧はすごく骨が多いから、構造を知っていないと綺麗にはさばけないね。俺は天才だからできるけど…
私:…そうなんですね!(骨)
すごく綺麗でした。命をいただくって、こういうことなんだな、と感じました。
オーナー:天才だから。
私:…
オーナー:でも、いつも思うのは、こいつらさばくときは、綺麗に研いだ包丁でやってあげようって思うんだよね。
オーナーはきっと今まで何千匹、何万匹もの魚をさばいて来られたと思います。それでも、魚をモノ、ただの食材としてではなく、畏敬の念を持って扱っているんだと感じました。
私:頭を落とされても動いていて、すごい生命力ですよね。
オーナー:魚は大体みんなそうだよ!身は24時間くらい生きてる。だけど、氷水なんかにつけちゃうと身が死んじゃうから、絶対やっちゃだめ。だから、鮮度を保つ為に、さばいたらキッチンペーパーで包んで、更に新聞紙で包んで、冷蔵庫の一番風が当たらないところで保管する。
24時間経ったら、死後硬直、そして更に時間が経つと腐敗が始まるから、冷蔵庫の一番冷えるとこで保管しないといけないけどね。
詳しくは…
https://izakaya-kukai.com/鮮度のいい魚は締め方から/
より詳しくは…
https://izakaya-kukai.com/魚を持たせる技術について%E3%80%80小山%E3%80%80岳人/
そんな、腕と知識と食材に対する想いを持ったオーナーがひいたお刺身は格別に美味しいです。
カウンター席でそんな光景を見たくなってしまったあなた!
オーナーがひくお刺身をたべたくなってしまったあなた!!
今週末のご来店、お待ちしております♪